【小説、詩】 2024年10月29日 空白のイデア(20) クは立って海を眺めている。あの地平線の彼方にある国に思いをはせていた。どこまでいっても、ここは統領の統治する涙の国だった。そう思ってこそ、はじめて生きてこられた。島の一画には巨大な工場があり、島の人々はそこでみな働いて… 続きを読む
【小説、詩】 2024年10月29日 空白のイデア(19) 佐藤は聞いている。音楽が流れている。ベッドに座ってスマートフォンから流れる音をじっくりと聞いている。ドアをノックする音がする。一人の男が入ってくる。鈴木だ。いや、かつて鈴木だった人と呼んだほうが良い。彼の姿はもはや彼女… 続きを読む
【小説、詩】 2024年10月29日 イマジネーター(8) ガワンとヘイドンが同時に侵入してきた。イマジネーターAとEの波長が振動数を上げていく。 ガワン「オドル!無事か?!イマジネーターBは、今封じこめてきた。ここにいるのはEとAだな。Aはどっちだ?」 ヘイドン「これは面白い!… 続きを読む
【小説、詩】 2024年10月29日 空白のイデア(18) 佐藤は歩き続ける。後ろに従うのは、鈴木とジェイク。3人はそれぞれの方向から、この20年生きることの意味を問い続けていた。佐藤は、より現実的に、鈴木は、いくぶん空想的に、そして、ジェイクは、もうひとつの世界から、それぞれ… 続きを読む
【小説、詩】 2024年10月29日 空白のイデア(17) 佐藤は言い続けている。なにか、この世界が、異質なものに、変わりつつあると。 「私は私である。しかし、すでに私ではない。この肉体に宿る精神は、すでに晴れやかな大地へと降り立っている。何を知っているのか?それとも、何を知ら… 続きを読む
【小説、詩】 2024年10月29日 空白のイデア(16) ジェイクは1人歩いている。どこまで来たのか分からないが、かなり遠くにやってきたことは確かだ。あの山から歩いてきたはずだった。だが、いつの間にか帰り道を間違えて、誰にも会わずに、この秘境までやってきた。世界はすでに美しく… 続きを読む
【小説、詩】 2024年10月29日 空白のイデア(15) まだここにある姿を妻だと認識するのは難しい気がする。鈴木はすでに佐藤の妻と同じものになっていた。雰囲気も感じるものも、すべて妻だった。それでいて、鈴木らしさも合わせもっている。髪を以前よりも伸ばした鈴木。妻よりはまだ短… 続きを読む
【小説、詩】 2024年10月29日 イマジネーター(7) 隣りにいるイマジネーターは異質だ。オドルは感じて初めてわかった。この世界ともう一つの世界があるとするならば、もう一つの世界の神と呼ばれるすべてを司る存在が、このイマジネーターなのだ。おそらく、この存在が史上最初のイマジ… 続きを読む