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カテゴリー: 【小説、詩】

【小説、詩】 2026年2月8日

彼女と選挙

彼女は朝、カーテンを少しだけ開けた。 光がまぶしすぎると、声が強くなる気がするからだ。 時計は七時半を指している。 今日は選挙の日だった。 「今日は危ない日だよ」 頭の奥で、よく知った声が言う。 低く、男とも女ともつかな…

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【小説、詩】 2026年2月7日

統合失調症の男の日常風景

 朝六時。目覚ましが鳴るより少し早く、田中修一は目を覚ました。天井の染みが、今日は地図のように見える。北海道の形だ、と彼は思う。そんなふうに何かが別のものに見える瞬間が、修一の日常にはよくある。だが彼は慌てない。ただ「そ…

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【小説、詩】 2026年2月5日

光の向こう側

彼は、ときどき世界にひびが入る。 壁がゆっくり呼吸したり、遠くで誰かが自分の名前を呼んだりする。そんな日は、ポケットに小さな石を入れて外に出る。現実は冷たくて、重い。石は嘘をつかない。 「今日はどう?」 声が聞こえる。 …

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【小説、詩】 2026年2月4日

夜明けを待つ人

その店は、夜がいちばん深くなったころにだけ現れる。 帰り道、終電を逃した駅の裏。街灯の影がやけに長く伸びる路地に、小さな明かりが灯っていた。 看板には何も書いていない。ただ、窓辺に置かれたランプが、まるで「ここだよ」と合…

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