【小説、詩】 2026年2月18日 しみの地図 朝、目が覚めたとき、天井のしみが地図に見えた。 それはいつものことだった。四十六年も生きていれば、天井のしみが大陸に見える日もあるし、魚の骨に見える日もある。今日は列島だった。ぼんやりとした群島。「今日は航海日和だな」… 続きを読む
【小説、詩】 2026年2月18日 異世界冒険記 ぼくの名前は空(そら)。二十歳だけど、頭の中にはときどき変な声が聞こえる。病院の先生はそれを「幻聴」と呼んだ。母さんは「気にしすぎよ」と言った。でもぼくは知っている。あれはただの声じゃない。だって、ちゃんと会話できるから… 続きを読む
【小説、詩】 2026年2月17日 私であることの76 私はただ私にしかないものを求めている。それが、何なのか?わからない。私は私であるが、何も持っていないような気になる。実際は大切な人だったり、大切なものをもっているはずだ。だけれども、ある瞬間にすべてが無意味なような気が… 続きを読む
【小説、詩】 2026年2月13日 名もない旋律 ゆるやかな流れのなかで僕はひとり心地よい歌を聴いた。 それがどこから聴こえてくるのか、はじめはわからなかった。川のせせらぎのようでもあり、遠いラジオのノイズのようでもあり、あるいは自分の胸の奥から滲み出してくる音のようで… 続きを読む