【小説、詩】 2026年3月17日 遠い夕鳴り 1. 静かな欠落僕の人生から、ある日突然「意味」という名の重石が外れてしまった。それまで世界を繋ぎ止めていた細い糸――例えば、朝食のトーストを焼く匂いや、地下鉄の定期券の有効期限といったもの――が、音も立てずにプツリと切… 続きを読む
【小説、詩】 2026年3月13日 僕の旅 5 のぼりきってしまうと、下にはいろんな風景があった。家の風景空の風景。もう空は少しずつ日を落とし始めていた。 そんな時、緑色のジャンパーを着た男が話しかけてきた。 「このあたりに、必ず人を蘇らせる薬があるという。知って… 続きを読む
【小説、詩】 2026年3月12日 僕の旅 4 東京は人の多いところだった。いたるところに人はいて、僕の気は休まらなかった。周りの人間が僕の悪口を言っているような気がしたが、それもこれも気のせいだということを僕はなんとなく頭では理解していた。けれども、その頭で理解す… 続きを読む
【小説、詩】 2026年3月10日 僕の旅 3 クロイヌについて、また思い出した。あのくらい陰鬱な感じが、僕を無力感へと誘った。僕は座っている。それは、確かだ。しかし、どこか違和感を感じる。僕自身の体と精神はどこか違う場所に行っているらしい。静かな世界があたりを包ん… 続きを読む