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僕の旅 7

ウサギは語り続けていたが、僕は何も答えなかった。また疲れがやってきていたのだ。波は品を変えてやってくる。重だるい感覚から全身への倦怠感、いろいろな疲れがやってきていた。

 やがて、ウサギはどこかへ行ってしまった。僕は最後のタワーに向かうことにしたが、ふらふらな状態で、今にも倒れそうだった。そこに青い髪をした女性が僕に声かけてきた。

「つかれきっている。そんな形容が似合う人だな。私は4つの頭を持つ犬を探している。君が何か知っているかもしれないと思い、助けることにした」

 そういって、女性は僕をうながして、マンションの一室に入った。僕は疲れ切っていたので、見知らぬ人の知らない場所に足を踏み入れてしまった。

 部屋の中には大きな地図が壁にかかっていた。そして、僕はここにいることに無意味さを感じた。ああ、ここはとてもつまらない場所だ。そう感じたが、今から外に出て、宿を探すか、おじさんに連絡を取ることは、ますます無意味なように感じてしまう。

 つよい力が働いていると感じる。あのウサギ男は何かを知っているらしかった。しゃべっていたことが断片的に頭のなかに入ってくる。記憶のなかに、何か異質なものがわきたっている。その果てには深淵の闇があるのだなと感じた。僕は何もしゃべらず女性が出してくれたカレーを食べた。とても変な感じがした。普通ものを食べた感想はおいしいとか、まずいとか、そんなものになるはずだが、僕が感じたのは変だなという感覚だ。

 「君はあっちの部屋のベッドで寝てね」

 女性はそういって、部屋を出ていった。そこから、どこにいったのかは、わからないのだが、2度とその女性と会うことはないと思えた。僕は部屋のベッドで眠り、十分な休息を取った。

 起きると、光が窓から入ってきていた。

 僕は部屋から出て、家から出て、最後のタワーに向かおうとしていた。そこにまたあのウサギ男がいるような感覚があった。

 南のタワーに着くとウサギ男が僕を待っていた。

「やあ!君の世界まだ終わっていない。そうだろ?だが、どこからが君の世界で、どこからが他人の世界、つまり私の世界か、考えてみたことはあるかい?ふふふ。つまりね、私は君と同じ世界にいるんだよ。そのことを強く感じてくれないか?」

 まただ、またあの疲れが襲ってきた。僕は疲れ切って座りこんだ。ベンチの冷たさを感じた。タワーでウサギ男はまたも僕に何かを語っているが、僕は理解する力も聞き取る力も持っていなかった。やがて、ウサギ男が去ると、僕の力は少しずつ戻ってくる。いい感じだ。タワーを見て回る。メモ帳が落ちていた。父はあるブランドのメモ帳しか使わない。火の鳥をイメージしたブランドだ。そのマークがメモ帳にあった。

 僕は何気なく拾うと、そこには父の字があった。

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