私は私である。そのことが、なにか?私は私の中に降りていく。そのことが何か?何もない。結果的に何もない。私は私であるためにここにいる。私の中にいるひとつの世界。私にかかってくるはずの電話。今日もかかってこない。私に恨み言をわめきたてる電話は今日も来ない。私は復讐を恐れると同時に、私は復讐されることで、自分の罪悪感をなくせるはずだ、とも思う。かつての職場に行ってみるか?かつての職場に何かを見ているのか?かつての静かな空は私から永遠の泉へといざなうだろう。私は私の物事の全てを私へと帰らせる。私は私の全てを私へと帰らせる。新しい世界がやってくる。苦しみに似た物語の始まり。夜星は、静かに歩き始める。その歩みはどこか神秘的で、どこかわたくし的な響きを持っていた。巨大な雲が空をおおっている。私のその中に夜星はいた。夜星は、誰よりも背が高くありたいと望んでも、それはかなわない。私のような、全く私のような、その世界の中で、連想ゲームのように物事は進んでいく。半神半人の私たちの中にあらゆるものがつまっている。ひらがなだ。そうだ。ひらがなをもっと使うんだ。幼い幼子に読み聞かせるように。私は私である。だが、私は本当に私であるのか?私はどんな人間だ?あいさつができない人間だ。人に優しくできない人間だ。私の中にあるその中で、あらゆる物事が進んでいく。終わりのない言葉の中に、私は喜びの歌をひそめる。夜星は、少しだけ手を上げて、名前を呼ばれると、話し出した。
「ああ、私はいじめられているようだ。だが、実際はわたしは愛されている。神の前にわたしはただ愛されている。だから、それがすべてだ。暗くなってきて、りんかくがぼやけてきた。残り5パーセント。電池の残りだ。ユングのオーディオブックも聴いている。途中できれたら?途中で電池が切れたら?という不安がある。誰でもないわたし。わたしであることの理由は、また悲しみの中にいる。1人の人間としての暗がり、わたしの中にある物事の始まり。君はどこに行ったのだ」
夜星は、そこまでいうと、静かに座った。静けさの中にぜい弱な精神などみじんもなかった。あらゆる物事が空の中にある。何もかもがわたしの中にある。わたしの中にある意志の中に、完全な夜の星がある。