異世界の旅人として、今私はここにいる。過去のことを思い出す。まだ働いていた頃。まだ地上に足を踏みしめていた日。あの日の輝きを今も思い出す。圧倒的な影響力。圧倒的な力。圧倒的な人格。すべてが備わっていた私そのものから、私は私へとそしてバランジューへと怒りを向ける。
怒れるものたちのうずきの中で、ザクロの花が咲いている。この花は何色かは、私にはわからない。花が咲くのかさえ、わからないのが、正直なところだ。私は私の世界から破滅の世界へと移動していく。健やかに、速やかに、私は私の静かな力を私自身を静めるために使おうとしている。生きろ!と誰かが言う。その中で、私は地獄の磁力に引き寄せられるように、不幸へと進んでいこうとしている。思い出した。あの人をOをとても愛していたことを。Oはすでにやつらの手によって、死をむかえ、地獄にいるだろう。本来ならば天国へ行くところが、やつらの工作によって、地獄へと送られたのだ。だからこそ、再会のチャンスがあると知っている。Oよ!どこにいる。Oの手がかりを探して、私は地獄の鬼たちに聞いて回る。髑髏の騎士にも話しをかける。
すると誰かが風の噂として、こんな言葉を残した。「4つの塔をこえてゆけ。すると、あなたの求めるものはある」そうか!と私は思った。この力がまだ残っているままに、私は4つの塔を超えてゆかなければならない。その一つ目の塔は見えてきたぞ。そこの入り口に1人の老人が座っている。入口に入るのを邪魔するように。
「どいてくれないか、おじいさん」
私は中へ入らなければならなかった。一つ目の塔で時間をかけるわけにはいかなかった。いつ私の地獄での魂が尽きるか、わからなかったからだ。老人は私をにらみつけて言う。
「あなたは、あなたでしかない。お前はお前でしかない。だから、その心得違いをひとつ正してやろう」
不思議な光が辺りをつつみ。私は自分の体が縮んでいくのがわかった。私はどうやら、子供に戻ったようだった。
「妖術師の類か!おのれ!」
私の声とともに、3匹の番犬が放たれた。番犬は老人に襲いかかり、老人は倒れた?かに見えたが、ふいと姿を消してしまった。あとに残されたのは、私と3匹の番犬のみだ。私は3匹の番犬を私の中に戻すと、塔の入り口へ足をすすめた。