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私であることの3

 あなたたちは、静かに闇を見つめている。その先には光の門があるはずなのだが、いっこうに見えないのだ。いかなる天使が人々の前に姿を現そうとも、こんなに悪い姿ではあるまいと、人々は信じている。だが、実際は髪の長い無精髭を生やした人間だったのだ。整えられていないといった印象の大きな人だった。消えていく物語の始まりを知るものだった。母の声が聞こえる。すでに父も動き始めている。すべからく世界よあれ!と叫ぶキツツキたちの声がする。野太い声で、さらに激しく追い立てるように。その中からハスの花が生まれてくる。どこから生まれたのだ?と人々は噂しあった。あなたの名前はなんですか?と言っている。私の名前はニルヴァーナだ、と静かな声で言う。その人はどこから生まれたかわからない。何から生まれたのかわからない。いつ生まれたのかもわからない。宇宙人が連れてきたという人もある。素晴らしく世界を作り変えたという宇宙人ビビリーナナイン。9体の神々にも似た宇宙人は圧倒的な恐怖心で人々を支配した。人々は泣き叫び、自らが世界の王でないことに、絶望をした。だが、そこに1人の人間が生まれた。いや、生み出されたのか?涙さえすべて汗に変わっていった。巨大な雲さえ飛行船に変わっていった。何もかも、奇妙な世界がビビリーナナインによって作られていった。9体の宇宙人は巨大なビルを見て、砂の上のスコップのようだと言った。そのことの意味はよくわからない。だが、ただ一つ言えるのは、ビルはスコップじゃないってことだし、ビルは砂の上に建てられるはずもないのだ。その現実が曙光と呼ばれるものを引き寄せた。人々は数日おきに性転換を繰り返していった。そして、数日おきに子供を産んでいった。誰よりも苦しみのない世界を見出したビビリーナナインは、誰にも見えない存在となった。若い美女が現れたとき、3人目のスコップが現れると伝説にある。スコップというのは、ビビリーナに接触した人間たちのことだ。すべての人間は俗にいう統合失調症である。何も変わっていない世界があり、一度弾けた世界が風船のように元に戻ることはない。そう誰もが信じていた。宇宙からの使者は、突然やってきた。

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