さらなる道はどこへと続いているのか?森の中に入った。森は森ではなく、人々を拘束する植物たちの群れが、人々の養分を少しずつ吸って永遠に続く苦しみを味合わせようとしている。Sは持っていた火打石で、火を起こし、森を焼いた。森と共に人々も火葬されていった。悲しいことだが、人々は永遠の苦しみよりも死を選ぶだろうという考えのもとに行ったS。
その行為に地獄の大王はまたもや激怒した。死者は死者として地獄で生きていた、生きていたものとして、死者であったとしても、存在していたのだ。それを炎で焼き払ったSに大王は怒り狂った。怒りのあまりに、もう一つの影が生まれた。影は陰鬱なコップの姿をしている。コップはニヤリと笑うと、回転し始めて、時空間を開き始めた。そして、空間の中に影なるコップは吸いこまれていく。
大王は大声で叫ぶ。
「いくがいい!お前の怒りを見せつけるのだ。あの聖者?いや、正者?いや、生者を奈落の底、絶望の底に引き落とすのだ。お前の力は存分に地獄に知らしめられている。お前は確かに生きている。お前は確かに生きているんだ。あの男への復讐のために立ち上がったのだ。焼かれた死者たちを祈りの果てに救い出すがいい。そして、その命というかりそめを絶望以外のものに染め上げぬよう心せよ」
こうして、影のコップは、向かう。Sのもとへ、遠くから近くへと。遠くから最も近くへと。