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← トップページへ戻る 【小説、詩】

カオス26

 私の中に何かが動いている。その形は力をこめて、私自身を壊そうとしてくる。私の中にある物語がひとつずつ押し広げられていく。昔見たイメージそのままに、私の中の過去をあぶりだしている。酒を飲んでいる男がいる。家の中に1人。本を片手にもって本を読んでいる。何者もそこから先には行けない、と知っている。誰もが、その頂からは飛べないと知っている。その中で巨大なヒヤシンスがやはり、生まれてきている。巨大なアメリカザリガニとともに生きていく世界の狭間のしゃれこうべ。私の言葉から言葉への伝達に言いようのない意識が割って入る。そこから始まったカオスという怪物は、誰よりも肯定的に私を見つめている。私の世界は正常に戻ったか?に見える。しかし、その先には、何もない。そう。その正常さに戻ったところで、私が遠い世界に行っていたことは何の役にも立たず、むしろ足を引っ張るくらいである。難しい問題が私たちをつつんでいるところで、私の意識は、過去へとまたさかのぼる。過去の私がまた私自身の過去を見ようとしている。過去にもそのような体験があることを、知っているのか?まだ生きている。すべてがここから始まろうとしている。圧倒的な矛盾。圧倒的な支配。圧倒的な事実性。圧倒的な未来が、ここにはある。私自身から始まるこの宇宙の渦の中をムクドリが静かに飛んでいる。どこまで行っても、そこには言葉はなく、ただの虚無があるだけだった。そして、その圧倒的な無意味さに私たちは愕然としているだけだ。そして、その関係そのものを私への花束となしたのだった。悲しみ。圧倒的な悲しみ。最後の悲しみを私たちは含んでいる。私たちは世界をふくんでいる。私たちの中にある決して見えないものが、あの日から遠ざかろうとしている。

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