髑髏の怪物は、目の穴から恐ろしい蛇が頭を出している。バランジューは私の後ろに行って、隠れている。対峙すべきは私だった。髑髏の戦士は馬に乗っている。その馬ももはや死んでいるかのような、あるいは死にそうなほどのエネルギーの過度な放出を感じさせる。髑髏の戦士は私に向けて、剣をふるおうとかまえている。それと同時に、その口から声ともつかぬ声がどんよりと出てきた。
「おお。この世界に生きたまま入った迷い子とはお前のことか?いますぐお前を死者にしてもいいが、そのことは地獄の意志に反する。なので、お前を再び地獄の門へ返すことにした。そのために私がここにいる」
髑髏の怪物戦士が、そういうと青猫バランジューは驚いたように言う。
「あの方が、そう決定されたのか?あの方は、この人を生かしておくつもりなのだな。私はこのSを送り届けなければならない。この人の母が落ちたという地獄へと」
髑髏の怪物は鋭く怒りの気を発したようだった。
「お前も知っているはずだ。バランジュー。あの方の命令は絶対だということに」
私はたまらず口をはさむ。馬はいななき先ほどよりも興奮しているようだ。
「私はこの先の地獄に行かなければならない。そのために、私はここにいる。通してくれないか?」
髑髏の怪物は問答無用とばかりに私に斬りかかってくる。「おい、さあ、逃げて逃げ回るがいい」
バランジューは私に言う。「惑わされるな、君を傷つける意志はない。そう命令されていないからだ。やつはまだまだひよっこなのさ。さあ、かまわず前に進もう。私たちの世界は、その先にあるはずだ。この先の地獄は第一地獄と呼ばれる嘘をついたものたちの地獄がある。そこへまずは行ってみよう」
私はたける戦士をかわすようにして、進んでいく。あたりには、かなりの量の水が流れている。
「行くがいい。だが、私はこの命令を必ず果たさなければならない。そのことを忘れない」髑髏の怪物戦士も私の後をついてきている。どうにか私を地獄の門へ返す方法を考えているのだろう。
私はバランジューという猫を見る。バランジューは、何も素知らぬ顔で、前を前を進んでいる。まもなく第一地獄がやってくる。この地獄は人々の叫び声が聞こえてきた。