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世界の果てまで行って(38)

 どこまで行っても広い海原が続いている。あたり一面にはうねりをともなった木々たちが、行く手をはばむように伸びている。男がその中心に立っている。忌み嫌われるものの始まりのもの。人を始めて殺めたものだ。男は静かに話し始める。

「わたしはひとつの罪を犯した。その罪は悲しみの果てにある泉のようなものだ。そして、実際問題大きな壁がわたしの前にたちふさがったのだった。いつでも夜は私たちの愚かさを増幅させてくれる。いつでも悲しさは私たちの罪を照らし出してくれる。わたしは知っている。わたしはあの人を殺さなくてはならなかった。秩序のため、法のためだ。しかし、彼らはいう。お前は、ただ、あの人を憎んでいるから殺したのだ!と。そう信じるものたちは、私を忌み嫌い、私の子孫たちを忌み嫌われるものとして、嫌っている。常にわれらの法は、彼らの法ではないと知っているはずなのに、何も私はわかっていなかった。十分な積み重ねをおこなわかったのだ。そのとき、対話という鎖は切れ、私たちの間には不信という大河が流れ出していたのだ。さあ!いくしかない。お前は再び、忌み嫌われるものとして、対話をするために進まなければならない。そして、対話の先に答えを見出さなければならない。私は知っている。お前が、何らかの理由によって人を殺めたことを。私は知っている。お前が、その少女にひどく憎まれていることを」

 私は少女を見た。彼女は無表情だったが、興奮しているのをわずかに感じた。

(やはり、彼女は私を憎んでいる。私の命を幾度となく守ってきたにもかかわらず、だ) わたしはむなしい大地の果てにあるあの大地に再び帰らなければならない。わたしが人々から忌み嫌われ、憎まれている、あの大地へと。それが、忌み嫌われるものの残余としての使命だった。わたしの他に真に生きているものはおらず、わたしの他に真に肉体を持っているものも、いないのだから。

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