わたしは生きている。限りある世界で、堂々と生きている。意識的なものから、無意識のものへとトランスするようなものだ。愚かなわたしへと神様は赤いリンゴをくれた。だけど、わたしはそのリンゴを食べずに捨ててしまったんだ。
神様はわたしに怒りはしなかったけども、失望したような顔(顔は実際見えないし、みることもできないので、何か感じたということ)をした。わたしは神様にもう一度リンゴをくださいとお願いした。神様は何も言わずに少し笑みを浮かべている。翌日枕元にりんごが置いてあった。「ありがとうございます」神様に言うと、神様は「なんのことですか」と、いつもの穏やかな笑みで答えてくれました。
わたしは世界そのものはりんごでできていると信じていたから、リンゴを食べようか迷っています。もう、捨てることはないけれども、このリンゴをどう扱うべきか迷っています。ありがたいことです。とても、ありがたいことです。今わたしはリンゴを持っているのですから。そして、彼方の世界でわたしは踊ります。ゆっくりとスローモーションにかけられた俳優のように踊ります。手を上げて足を上げて、どれほどのことがあっても、行為を続けています。うれしいことなのは、どんなことがあっても、生きることをあきらめていません。
どこかへ行った遠い夜のように、わたしは心そのものを一つの尺度として、遊んでいます。誰かが、わたしにナイフを持ってきてくれました。わたしはリンゴを4つに切り分けて、わけます。あなたはわたしにありがとうと言って、すべてのリンゴを食べてしまいました。わたしは困りました。世界そのものが壊れていかないか心配だったのです。でも、世界は変わらずあります。あなたは、世界そのものとなったのです。
羽を持ったあなたは、空高く舞い上がりました。わたしはあなたを追いかけます。あなたは速く、とても追いつけない。そんなとき、神様にまた会いました。「あせってはいけない。君の順番はきっとくる」わたしはその通りだと思い、あなたを追うのをやめました。あなたは見えなくなり、先へ先の世界へといってしまいました。わたしは自分のペースで動き続けます。神様はにっこりと笑ってわたしに言いました。
「いい感じだよ」わたしは、悲しみの中で、ひとつの答えをみつようともがきます。力をこめて、おさえているものを取りのぞこうとします。だけれども、いつしかわたしを押さえつける力そのものもわたしの力の一部となって消えてしまいました。わたしは神様に言いました。「ありがとうございます」神様はニッコリとまたほほえんでわたしに緑のリンゴをくれました。とても大きなリンゴでした。わたしは不思議と食欲がわいてきて、リンゴを食べ終えます。
「ああ、美しい太陽が、ここまで出ているのならば、わたしは、さらに昇ることができるでしょうか?わたしのどこかにある悲しみは、どこへ行くでしょうか?知っていますか?知りませんか?わたしは、どこへ旅立ちますか?」