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世界の果てまで行って(26)

わたしは眠っている。誰よりも、深い眠りの中で、わたしは穏やかに眠っている。今日という忌み嫌われる自分の存在を誰かが癒してくれることを夢見ている。しかし、現実は何も変わらない。しかし、内的な心情は変えられる。わたしは自分自身忌み嫌われるものとは考えない。わたしは1人の当たり前の人間として、ひとりの権利を持った人間として、ただ人々の前に立った。人々は口々にいう。「あの人は誰だ?かつて、忌み嫌われるものだった人なのか?それが、なぜ、ああなったのだ?わたしは、謎めいた神秘を感じる。わたしは謎めいた始まりを感じる。それとともに、わたしはわたしを否定するすべて。わたしは他人を否定するすべてを、氷の中に封じこめてしまおうとしている。わたしは弱いのか?わたしは自らの力を自らの礎とするのか?」

 誰よりも悲しみの中にいるわたしは誰よりも自分を愛する術を見つけようとしている。わたしは忌み嫌われるものとして、忌み嫌われるものの地を踏んだ。わたしはわたしの中にあるよどみを切り裂く風車となっていく。わたしはわたしの足で大地を踏みしめることができた。それは、そこが、忌み嫌われるものの地、最果ての地、だからだ。わたしはいつのまにか遠い遠い旅を終えて、終末の地へとたどり着いていたのだ。この世界の果てに何があるのか、この目で見ようと思った。そして、わたしは1人の男が、歩いてくるのを見た。男は誰よりもまばゆい暗闇をまとっていた。

「あなたは来訪者か?帰ってきたものか?」

 暗闇をまとった男は言った。わたしは何も答えなかった。わたしはすでに疲れ切っていた。誰よりも疲れ切っていたのだ。わたしは崩れ落ちるように意識を失い、ひそやかな時代を男とともに、歩き始めた。

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