わたしは歩いている。外の世界には新しい構造が出来上がっている。わたしはその表面を少しだけ見て、少しだけふるえる。なぜふるえたのか、わからないままに、ただいまを感じながら。少女は見るからに巨大になってきた。わたしを裁く刑吏のようだ。わたしはなだらかな進化をともなうわたし自身を少しだけ向こうにやって、別の空間へ移動しようとこころみる。それでも、ダメだった。それでも、無駄だった、と知る。わたしはあなたにひとつの答えを求めたい。
「どこまで行っても地平線?それとも、水平線?わたしはわたしの書くものに誇りを持っているの?」
あなたは何も言わずににこやかな笑顔でうなづくだけ。わたしはにこやかに庭に出て、にこやかに草を刈る。
「どこまでいっても、あなたはにこやかでいてくれる。どこまでいっても、あなたはほほえんでくれる。ありがとう。何よりも君に感謝したい。わたしを勇気づけてくれるあなたに感謝したい。ありがとう。ありがとう」
そこから、冷たい少女の声が届く。
「あなたは忌み嫌われるもの。そのことを忘れないでください」
その通り。それは、卵が丸いってことくらい当たり前のことなんだから。わたしは、そのことに気づき、精神を少しずつ閉じていく。ぼんやりとした夕暮れがわたしの後を追ってくる。何よりも何よりも悲しいひとつの影がある。