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わたしたちという庭の木(14)

 わたしは眠っている。その間も、何かをしようともがいているが、何もできない。わたしは君に助けを求める。君はわたしのそばに座り、ゆっくりとわたしの緊張をほぐすように話し始める。

「いいんだよ。あなたはあなたのままで、いいんだよ。わたしは何もかもあなたと一緒に過ごしていく。何もかもあなたと一緒に暮らしていく。あなたは何もしなくても、何の世界のためになることもする必要はない。あなたの存在そのものが世界なのだから、あなたはきっと世界を手に入れる。あなたの心地よい世界を今よりもっと心地よい世界が手に入ることになる。わたしはどれほど言っても、どれだけ騒いでも、あなたの価値を損なうことはできない。あなたには素晴らしい価値が生まれた時から備わってるのだから。あなたはあなた。わたしはわたし。それだけで尊いひとつの存在。それだけで尊いひとつのことわり。あなたはあなたのままでいい。あなたはあなたの望むままに世界をつくりかえて行ける。誰かを変えるのではなく、何かを変えるのだ。人以外の何かを変えれば、人は人であり続ける。救世主として生まれついたあなたに、わたしから贈り物がある。それは、無常の信頼だ。あなたはわたしにとって必ず価値のある存在であり、いかなる条件もなく価値のある存在である。そして、存在だけが、この地上に太陽をもたらすだろう」

 わたしは安心して眠りにつく。穏やかな眠りを味わう。健やかな眠りと共にある。わたし自身の夢とともに、わたし自身が消えてゆくようだ。そして、世界と一つになっていく。わたしとあなたも一つになっていく。わたしは世界と調和していく。あなたも世界と調和していく。あなたの世界はわたしの世界と調和していく。重なり合って、一つに溶け合っていく。やがて切れ目のない、境界のないわたしとあなた。どこにもない境目の終わり。今わたしはみた。この発見が大いなる未来への躍動となる予感を。だから、あなたとわたしはひとつになった。お互いを補完していく存在たちのたわむれ。ありがとう。空よ。ありがとう。海よ。ありがとう。大地の恵み。

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