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世界の果てまで行って(12)

 新しい朝が来る。わたしはただ、受けとめている。この現実はどこまでも悲しみに満ちている。わたしは何も持っていない。財産もお金も人のきずなも、すべてを失っている。いや、もともと持っていなかったのだ。太陽が照ってきた。動く箱庭に誰もが、恐れおののいている。わたしは動くたびに呼応する。呼吸をするように誰よりも満ち足りている。失われたものたちの最後の地、最果ての地にわたしは向かっている。奇妙な雲の形をした箱庭にわたしは乗っている。天上から、降りてきたかのように?わたしを迎えに来たかのように、それはやってきた。

 少女はその姿を見て、奇妙なことを言った。「ねえさん、どうしてこいつを助けるの?」無情なる少女に感情があるとして、誰もが、喜ぶだろう。人々の鎧に似た心は人々を騎士道へとかえらせる。戻ってきてくれないか?とわたしは告げた。何もない世界の何もない終わりを告げている。誰もが、私を知っているようで、誰もが知らない街を歩いている。ものをいれるためだけの倉庫に、いまや、多くの心が積み上がっている。

人々は喜びに満ちた表情で告げている。

「忌み嫌われるものがどこかへ行った。わたしたちのいないどこかへ」

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