咲き誇る花とともに散っていった歌の姫。昔、この地には最果ての地と呼ばれる場所があったそうだ。その場所には大いなる宝石が、代々ある一族によって守られていたという。だが、その一族は、宝石を残していずこかへ消えた。悲しみに打ちひしがれた友人の男は、一つの願いを神にした。再び一族をこの地に戻らせてくれ。もし、この願いが叶うのならば、わたしはこの地に永遠に住み続けよう。最果ての地は、パンゲアと今では呼ばれているらしい。この話のどこまでが本当で、どこまでが嘘か、わたしには判断がつかなかった。
思えば、わたしには記憶がない。両親と思っていた人たちは、「わたしが両親であると信じている」事実があっただけである。具体的に、彼らとわたしを結びつける具体的な記憶の中の出来事は存在しないことに、わたしは気づいたのだ。その時、わたしは、あの地に生まれずに、どこか別の地で生まれたのではないか?と思い始めた。そして、そのわたしが生まれた地こそ、あのパンゲアなのではないか?と。
人々は口々に恐れ怒り恨む。わたしが一族の呪われたものではなく、呪われた一族の末裔だとはっきりと言う。わたしを誰もが知っているのはなぜか?わたしを誰もが憎むのはなぜか?わたしはずっと考えながら、夜を過ごしてきた。その結果、わたしは不眠気味になっていた。
「わたしのことをどの程度知っているのか?」
わたしは少女に問いかける。わたしは少女への言いようのない憎しみに取りつかれている。
「すべての元凶は君だったのではないか?」
少女は何も答えず、わたしから向けられる敵意にも、身を守ろうとせずに立っているだけだった。そう、彼女はわたしを守るためにいるが、彼女はわたしからの攻撃には無力なのだった。わたしは彼女を傷つけることができる。わたしは少女を傷つけられる。