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← トップページへ戻る 【小説、詩】

世界の果てまで行って(2)

 船に乗らなくては進めない。だが、船乗りは私たちに言う。

「お前たちを乗せるわけにはいかない。お前たちは、つかまってこそいないが、お前を嫌う人間はいっぱいいる。だから、もしお前を乗せれば、客がいなくなるだろう。向こうの船に客を持っていかれてしまう。わかるだろ?そういうわけで、忌み嫌われているお前を乗せることはできない」

 私は予想していたこととはいえ、想像以上にパンゲアを目指す旅路は大変だと思い知った。隣にいる少女はどこ吹く風だ。まるで、私の行先なんて気にもしていないように見える。

「あなたが行きたいところに行くといい。ただし、その場所はあなたにとって安全なのかよく考えてね。あなたを守る使命がある私の意見を言うなら、人の多いところはあなたを苦しめるでしょう」

 少女は、影のようについてくるだけだ。私が、世間話をしても、ほとんど、あいまいな返事に終わり、何も話さない。一体、彼女は本当に何者なのだろうか?長い髪をした黄色のキャップの少女。それくらいしかわからない。おおきなカマは小さくもなるらしく、持ち歩いているのは、小さなアクセサリーのようなカマのおもちゃ。これが、戦うときには、きっと大きくなっていたのだろう。今更ながらに、あの夜は夢だったのではないか、と思える。

 それでも、育ててくれた両親に書置きを残して、私は旅に出た。夢に出てきた老人が、今日も私に告げる。

「最果ての地パンゲアへ向かうのだ。向かえばわかる。どこに向かうかは、聞くな。ただ、お前は進めば道は開かれるだろう。その先にパンゲアはある。お前はそこで、忌み嫌われるものの真実を知るだろう。私はお前を導く夢の主だ。老人の姿をしているが、お前の親のようなものだと思えばよい。私は私のためにお前をこちらに招き寄せる。そのために、護衛も用意している。その少女はお前を守るために戦う。間違っても、自分で命を絶とうなどと考えるべきではない。その少女が全力で同様にお前の命を守るだろう。お前の命はお前だけのものではなく、すでに忌み嫌われる一族のものなのだ。代表者として、お前は、生きなければならない。伝えるために。何を??ふっふっふふふ。それは、まもなくわかるだろう」

 目が覚めて、野生のイノシシが寝ているのをぼんやりと眺める。船に乗れなかったので、森の奥へ奥へと進んだ。私に与えられているのは、方角ではない。私に与えられているのは、すすむことだ。

 道を歩いていると、ひとりの子どもがいる。

「あ!嫌われ者だ!逃げろ」

 子供は森の奥へ奥へ入っていく。

「この先にあるんだな。私を待っているものが」

 私も森の奥へ奥へと進んでいく。

 今まさに大きな滝が音をたてて流れている。赤い目をした鹿にあった(角がりっぱだ)。

 鹿は何もいわずに興奮して襲ってきた。少女はカマを巨大化させて、鹿をきりふせる。

「ふう。どこへ行こうというのです。この先には滝しかない」

 ふと、私は鹿が出てきたほうを見ると、滝の奥に通路があるらしい。

 「行ってみよう」

 私は滝の奥の通路に足を踏み入れた。

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