薬の生産を停止するか、どうか国の最高会議で議論が交わされている。その中で、鈴木は議論のなりゆきを見守りつつ、大事なところは、はずさない。鈴木の方針はすでに固まっていたが、現実的に、それを行うには、様々な問題が浮上してくるだろう。感染経路の特定まで、まだ時間がかかるようだ。まさに感染と呼ぶにふさわしい。薬が何かのウイルスにすべて感染してしまったかのようだ。
「チップの生産場所がわかりました。山奥の広大な敷地に工場がありました」
警察からの知らせを受けて、特別チームが捜索に入る。
あたりには、けだるい甘いにおいが満ちている。チームの人間たちは、ここにいる人たち(精霊のような、透けて見える人たち)について、どう考えるべきか、悩んでいた。彼らは人?なのか?
精霊のような人々は、ゆるやかにその工程をひとつずつクリアしていく。とても慎重に不思議な機械を使いながら。クは何事かを言い始めた。クの声が当たりに聞こえ始めている。チームの人間たちは、びっくりして、お互いの身の安全を確かめるように、集まった。
「おおらかな空がある。だから、みなは生きている。そうだろう?」
このフレーズが何十回もその広大な山奥の地において繰り返された。
鈴木は決めた。この地域を消滅させようと。第十二国家機密である「アンギラス」という超特殊爆弾を使う予定だ。この爆弾は、空間そのものを削り取る、国が30年かけて開発した特殊爆弾だ。
「投下」
すでに人(?)のいなくなった山奥の地にアンギラスは落とされた。空間が削れ取られ、そこに黒い塊ができた。