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空白のイデア(26)

 転落したら、終わってしまう人生。常に自らの優位を守らなければならない人生。

 鈴木はいつしか疲れ切っていた。彼方からクが呼びかけてくる。

「あなたは、もう知る人のない高みに届いた。それでも、あなたは、あなたは生きていくの?すべてを犠牲にして、すべてを終わりにして、人々の始まりも終わりもすべて泡のように消えてしまうのに?あなたは、どこまで行こうというの?」

 佐藤は語り続けていた。

「この世界にあるものは、ささやかな雑草だ。あなたたちに求めていたのはほかでもない、この終わりなき始まりの連鎖だったのに」

 塊のあるゴミの山が私たちを覆いつくそうというときに、私はひとりで、この山を燃やそうとした。

 と、誰かが言った。「クなのか?」聞き覚えのある声。ジェイクだ。

「あなたたちは、どこにいこうというのだ。ダブルエスのふたりよ」

佐藤はここにはいない。もう、どこか遠くの山の奥で、静かに断食を行っているのだろう。

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