クは立って海を眺めている。あの地平線の彼方にある国に思いをはせていた。どこまでいっても、ここは統領の統治する涙の国だった。そう思ってこそ、はじめて生きてこられた。島の一画には巨大な工場があり、島の人々はそこでみな働いている。巨大な機械が、大きな音をたてて動いている。
「おーい。国の人がやってきたぞ。10人だ。何事だろうか」
幼馴染のネードは、さまざまな形に姿を変えて、クを刺激する。新たなる概念が地球上に出来上がるように、ネードは新しい特徴を物事に与えていくのだ。今回の件も、そうだった。船から降り立ったのは、10人くらいの人々。国からやってきたようだ。
「はじめまして。私は国の総理大臣、代表をやらせてもらっている鈴木というものです。このたびは、ありがとうございます。第十二法規の適用を与えてくれまして。私どもは、ただちにこの島から、ひとりの少女を連れていくことになります。そのことは、あなたたちも十分承知のはずです。有無を言わさないといったほうが正しいのか?私たちは必ず連れていきます。さあ!クという少女はどこにいますか?」
クは自分が探されていると知って、警戒心をもった。島の人々までクを探して始めた今。味方は幼馴染のネードだけだった。
すでに一行が来て、2日がたっていた。島の人探しは続いていく。