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イマジネーター(6)

 オドルは猪の牙のようなアクセサリーを首に巻きつけている。鍛えぬかれた体が、瞬時に脳神経に反応して、動き出す。肉体はイマジネートに関係ないと多くの人は言う。だが、脳神経をとおして、作りこまれるイマジネーションは、間違いなく運動神経回路とも関係あるはずだ。少なくともオドルは感じている。

 イマジネーターDを「降下する亜鉛の蝶が羽ばたく稲妻」で、脱落させてから、すでに5時間が経過している。新手がやってきたのは、さっきだ。今度の相手は何か異質なものだ。私たちがあるべき姿にあるように、そのものは、あるべき姿をあるようにとっていつつ、その異質さは測りしれない。圧倒的な空虚さを持った鳥の羽ばたきを聞いたような、あのとき以来の絶望感をオドルは感じている。

 まもなく新手イマジネーターEからの、波状の精神攻撃がやってくるだろう押し寄せる津波のような圧倒的な質量と重量を持って、それを防ぐ術を5パターン考えてみたが、どれも防ぐ可能性が、およそ30%以上にならない。そこで、パターンとパターンのいいとこ取りをして、パーセンテージを上げていくと、46%まで確率が上がった。ただし、それも、相手の練り上げるイマジネーションの質に左右する面も大きい。

 音が聞こえてくる。波の音だ。来たぞ!

オドルはみぞおちに力を入れて、ありったけの筋肉量を増大させて、浮き上がらせる。それとともに「裸眼の派手な様々なレンズは影なる帽子を踏む」が、結成される。

 相手のイマジネーションは受け流せた。

 ホッとしたとき、オドルはまたべつのイマジネーターが隣にいるのに気づいた。

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