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← トップページへ戻る 【小説、詩】

イマジネーター(9)

 すでにすべての十二部隊は倒されて、地に落ちている。だが、ある意味、彼らを派遣した組織は、その役割をまっとうしたともいえる。またまたAをはじめとするイマジネーターは虚構都市群に閉じこめられた。

 なかなかのおてまえ、と感じていた。イマジネーターBはすでに変身を解いて、ひとりの男に戻っている。服装は赤のポロシャツ。黒のジーンズ。髪型はソフトにふわっと仕上げている。有象無象の存在として、豊かな存在感を放っている。この形式が、ひとつのこの形式が、まさに、今なろうとしている。最初につくりあげられたイマジネーターは、すでに眠ってしまった。眠り姫のようだな、とBは思う。まったくこの界隈には、ろくな人間がいない。自分もふくめてな。

「やあ」ふいに声がした。恐ろしく美しい顔をした若者が立っている。Bは不思議に思う。ここには、誰もいないはず。いや、誰も入れないはずだ。それぞれの境界が確定して、すでに大きな壁が立ち上がっているはずだった。それなのに、なぜここにこの若者はいるのか?

「やあ。私はSだよ。あなたの可能性を見出し、あなたの可能性を広げ切ったものだ。それを冷たいじゃないか」

「私に今さら用があるとも思えない。可能性という言葉で、私をここに閉じ込めたのは、君だろう」

 Sと名乗った若者は、瞬時にまばたきをして、視点そのものを切り替えていく。どんどんシャッターはせばまっていき、おそろしく古びた世界が広がっていく。「何年前だよ」とBはひとりつぶやく。

「あなたの世界だよ。B。失ったあなたの世界はまだ保存されている」

 私はあなたの目を見て、言う。ここにあなたはいない、と。

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