いよいよ影と一緒に壁とその街から逃げようとした主人公。
だが、結局影と主人公は別れることになった。
主人公は街の世界に残ることにしたのだ。
主人公は言う。元の世界に戻っても孤独だし、居場所がない。
今の私と重ね合わせる。きっと、このまま、この世界にとどまっても、あまり良いことはなく、よい未来は望めないと感じている。
確かに今のこの世界で過ごしていて、楽しいときもあるが、居場所やこれから先の未来について、よいイメージを持つことはない。
私も今のこの世界ではなく、私自身が作り上げた世界で幸せに暮らせるような(そんな世界に)道。
そのために小説を書いているのかもしれない。
私が書いている世界は、とても観念的で、抽象的になってきた気がする。
もう少し具体的な物語を進めたほうがいいのかもしれないが、今の私は精神的な救いを何よりも求めているので、いきおい、私の小説は、そういう精神的なものになってくる。
罪とゆるし、精神的な構造物。それらのものが、あいまって、私自身を形作るMONOそのものが、私自身の物語をつくりあげる手法となりうるのだろう。
村上春樹の物語は、影と主人公は離れ離れになり、主人公は図書館に向かう。
私ニル自身も、落ち着く場所、安楽の場所だった静かな刺激の少ない図書館に物語の主人公は向かうのだ。
私は私の現実から生じるものを書くだけでいい。私は私の空想を書く必要はない。
私は私の空想を私の理想へと。